コアの生徒に育てているものは英語力と、さらにもっと大事なこと。

成田校 ヘッド講師 平山 葉子

大学は英文科へ。自らが学んできた受験のための学校英語に疑問を抱き、幼児の英語教育を卒論のテーマに選んだ平山先生は、指導歴27年のベテラン。その間に結婚、子育て、一人っ子のお嬢さんも英語好きに育ち、社会人に。現在は成田校と千葉のご自宅で週6日みっちり子どもたちを指導。学生時代にミュージカルで鍛えた豊かな表現力と、自分の先を見通すチカラが大切という信念で育まれた教え子たちは、さまざまな職業や子育て、社会活動で自分を活かし、毎春、同窓会に集まってくる。

毎年、新入生を迎えると、「この子、いったいどんな子なんだろう?」とわくわくします。最初の出会いから、また新しいページが始まるのです。子どもって本当に原石です。どう磨いていくかは、その子によって違うので、特徴を早くキャッチしてどうアプローチしていこうとかと考えます。
私はただ英語力だけでなく、生徒が自分で自分のスケジュール管理ができること、つまり先を読んだり、今できないことがあれば「次回はここまでやってきます」というように、交渉したりする能力が大事だと思っています。ですから生徒にはスケジュール表を自分で毎回確認し記入する習慣付けをしています。
今は、小さい頃からレールが敷かれていて、お父さんやお母さんの言うとおりにしてきた子が多いので、教室でも「先生、何をしたらいいんですか?」と聞いてきます。そんな時は「スケジュール表を見てごらん」と一言。人に言われて動くのではなく、自分から動けるチカラを付けてほしいんです。

コアで教える魅力は、できる子をさらに伸ばす喜びもありますが、本当にどうしたらいいのだろうと思う子にもチカラになれることです。今の子どもたちって、学校へ行ってもいろんなことを抱えて闘っています。どこに行っても否定されてしまう子どもにとって、コアだけはがんばったぶん、認められ、自信を持って学校に行けるチカラをつけられる場なのです。
コアでは一斉の授業ではなく、講師と1対1で学習を進められるので、自分が遅れているとかを気にしなくていい。
みんなが80点でその子が60点でも、「できないね」じゃなく、その子が今まで40点だったら「60点取れた。スゴイ!がんばったじゃない!」ときちんと評価してあげられます。特に英語の授業のスピードが早い私立の中学高校の場合は、子ども本人も自信をなくし、お母様たちも学校から遅れを指摘されたり呼び出されたりして、めげてしまって…。でも、コアでは本当の実力を蓄えていけるので、自信が付いてくるんです。「まわりと比較しないで、子ども本人を見ましょう」とお母様にも自信を持ってもらっています。

小学校からコアで学ぶ子どもたちとは長いつきあいなので、私は第二の母親のようなもの。どの子も通る反抗期がくると、それはすごい言葉使いで向かって来ます。そんなときは「はいはい、わかった、わかった、今、反抗期だからね。そういう時期だから仕方ない」、生徒にそう言います。そして通過したら「結構早かったね」などと笑いながらお互いに確認し合うことも。そんな中学生の難しい時期を一緒に過ごして、高校生になり落ち着いてくると、また新たな目標を持って英語に向かい出すのです。
本当に子どもたちは変わります。子どもたちからたくさんのことを学んできましたが、最大のことは、「今この時がすべてじゃない」ということ。だから、「あなたはこうでしょう」と決め付ける言い方は絶対にしません。「今はこうだけど、でもわかんないよ、明日になったらこうなっているかもね」、子どもには常に「変われるよ」と言い続けています。

最近はコアの知名度も上がり、中学や高校から入ってくる子どもたちも増えています。CDを毎日聴いてナチュラルスピードの生きた英語を自分に取り込み、「語順訳」で英語の文の構造に沿って長文を理解していくコアの学習、特にCDを聴くことの大切さがなかなかわからない生徒もいます。「CDなんか聴いて何になるの?」と反発したり。そんな生徒にも「いいから、とにかく聴きなさい」と言い続けて、言われるとおりにやってみたら、本当に分かるようになり伸びてくる。
伸びるためには、どこかで「やっぱり言うとおりだな」と思える通過点が必要ですね。何か一点を共有したという感覚をお互いが持てて初めて、伸びる力が引き出されるのです。
子どもが心を開いて、「言うとおりにやってみよう」と思えるようになるには、まず子どもたち1人1人をしっかり見て信頼関係を築くことです。たとえば、教室に「ハロー」と言って入ってきた瞬間の顔を見て、いつもとちょっと違っていたら、「どうした?」と声をかけてあげること。毎回続けるのは結構たいへんですが、大事なことだと思っています。

私が子どもたちに育てたい事は、相手が日本人であれ外国人であれ心を通わせるコミュニケーション手段の一つとして、英語という言葉を活かし、自分の気持ちを表現できるようになることです。
高校生になれば、自分の人生を考えます。英語ができれば自信が持てますし、選択肢も広がり、自分の能力や可能性を活かして活躍できる場をめざせます。大事なのは、英語を武器に、自分に何ができるのか、何をしたいのかという目標を持つこと。そして、どうすればそこに到達できるのかを考えることです。
父が大好きだったのは相田みつをの『一生勉強 一生青春』という言葉です。本当にそうだなと思います。本当の勉強はこれからだよ、社会へ出てからだよ、と子どもたちにはいつも言っています。英語というチカラを活かして、いつまでも夢と希望を持って挑戦していってほしいなと願っているんです。